1. すべての人を幸せにできない資本主義という社会システム
地球上でほとんどの国の社会システムである資本主義,国によって多少の違いはあるものの,基本は名前が示すとおり,世の中で一番大切な物はお金,人間よりお金のほうが自由をもって幅を利かせている世の中。自由社会とは言いつつ,人間はいつもお金の心配をして,お金から自由になることはできません。
そして,人々は自由に動き回るお金を,人より少しでも多く集めるために,必死になって競争し,自分だけは,家族だけは,この会社だけは,この町だけは,この県だけは,この国だけは,幸せでありたいと願っています。すべての人が幸せになりたいと望んでいます。しかし,お金を果てしなく追い求めて,みんなで競争する社会システムでは,一握りの人は幸せにすることはできるかもしれませんが,すべての人を幸せにすることは不可能です。
では,どうしたらよいのか?答えは簡単です。すべての人が幸せを望んでいる訳ですから,すべての人が幸せになれる社会システムを創ればよいと思います。それが,現在,地球が直面している環境問題,資源の枯渇問題,人口問題等々の諸問題の根本的な解決策にもなると思います。
2.資本主義という社会システムの限界が近づいている
『読売新聞』2005(平成17)年5月2日,朝刊1面の「地球を読む」にレスター・ブラウン米地球政策研究所理事長が『中国貪欲な資源消費,「米国の夢」猛追,使い捨て経済いずれ限界』の見出しで論文を掲載しています。
(引用)
『中国版の「アメリカン・ドリーム」は,世界にとって「悪夢」になるのだろうか。いまや中国は,豊かさの象徴である「米国の夢」を急速に自分のものとしつつある。すでに何百万もの中国人が,まるで米国人のように肉を食べ,車に乗り,海外を旅行している。その背景には,急速な所得の向上がある。こうした米国型の消費者は,まだ13億の人口のごく一部である。だが,地球上の資源に対する中国の食欲は,すでに目に見えて大きくなっている。
中国経済における食糧,エネルギー,工業部門で使われる五つの基本材料,穀物と食肉,石炭と石油,そして鉄鋼の消費量は,石油だけを除き,すでに米国を上回っている。中国の1人当たり資源使用量は,いずれ現在の米国並みになるのだろうか。また,それと深く関連するが,現在の中国人1人当たり年間所得5300ドルが,3万8000ドルという2004年の米国の数字に並ぶまで,何年かかるのだろうか。
中国経済は,1978年に大規模改革を始めて以来,26年間にわたって,年率9.5%の急速な成長を遂げてきた。今後8%成長を続けるとすれば,経済規模は9年ごとに倍になり,2031年,推定人口14億5000万の中国人の年間所得は,3万8000ドルに達する。控えめな6%成長を仮定すれば,経済は12年ごとに倍になり,40年に,現在の米国の所得に追い付く。
ここでは8%成長を前提に,31年の中国が,今の米国並みの貪欲さで資源を消費すると仮定したい。肉や牛乳,卵が豊富な米国風の食事を維持するのに必要な,1人当たり穀物消費量は,現在の291キロ・グラムから935キロ・グラムに上昇する。31年の中国は,04年の3億8200万トンを大幅に上回る,13億5200万トンの穀物を消費することになる。04年,世界全体の穀物収穫量は,20億トン強だった。これは,その3分の2に等しい数字である。
いま世界に存在する耕地の生産性を高めることには限界がある。中国の消費に応えるため10億トンの穀物を追加生産するとすれば,ブラジルに残存する熱帯雨林の大部分に相当する広さを穀物生産用の耕地に変えることになる。もちろんこれは,開墾した土地が農耕に堪えることを前提にしての話である。
2004年,米国の1人当たり食肉消費量は125キロ・グラムだった。31年の中国がこの水準に達するとすれば,年間消費量は現在の6400万トンから1億8100万トンに増加する。これは,目下の世界食肉生産量2億3900万トンの,ほぼ5分の4に相当する。
エネルギー関連の数字は,さらに驚くべきものである。もし中国が,今の米国並みの割合で石油を使えば,31年までに,日量9900万バレルの石油が必要になる。目下,世界の石油生産量は日量7900万バレルであり,これを大きく超えるのは無理かもしれない。
石炭も同様である。もし中国の石炭使用量が,現在の米国並みの1人当たり2トンに達すれば,使用総量は年間28億トンとなり,現在の世界総生産量25億トンを上回ることになる。
これほど大量の化石燃料を燃やせば,息苦しくなるだけでは済まない。中国による化石燃料の使用から生じる炭素排出量だけでも,現在の世界全体の排出量と並ぶだろう。手に負えないほど急速な気候変動が発生し,食糧安全保障を脅かし,沿岸部の都市を水浸しにするかもしれない。
さらに,近代化のもう一つの指標である紙の使用量を見てみよう。現在,年間わずか27キロ・グラムの1人当たり使用量が,31年に今の米国並みの210キロ・グラムに増加すれば,中国は3億300万トンの紙を必要とする。これは,目下の世界総生産量1億5700万トンの,ほぼ倍である。世界中の森林が消えるだろう。
車はどうなるのか。もし中国の自家用車保有台数が,米国並みの1人当たり0.77台になれば,31年の総保有台数は11億台となり,今の世界全体の総数7億9500万台を,はるかに上回る。これほど大量の車のために一般道路や高速道路,駐車場などを舗装するとすれば,その広さは,現在の中国の稲作面積に近いものになるだろう。
以上の予測は,中国の使い過ぎを非難するためのものではない。人類の大きな部分が,地球規模で急速に経済的地位を向上させると,何が起きるかを知るためのものである。欧米の経済発展モデルは,化石燃料を基盤とし,自動車に依存する使い捨て経済だが,これは中国では機能しない。要するに十分な資源が存在しないからである。
もし中国で機能しなければ,年率7%で経済成長し,30年までに人口が中国を追い越すとされるインドでも機能しないだろう。「米国の夢」にあこがれる,そのほかの発展途上諸国の30億人にとってもまた,機能しないだろう。そして,地球規模の経済一体化がますます進み,縮小しつつある資源をあらゆる国が同時に争う時,いま豊かな工業社会に暮らしている12億人にとってもまた,この経済モデルが機能し続けることはないだろう。それが恐らく,最も重要なことである。
現在の経済モデルでは経済発展を維持し得ない。先進諸国がそれに早く気付けば気付くほど,良い結果を全世界にもたらすだろう。現在の消費水準が地球に及ぼす負担はあまりにも大きく,現代の産業経済が依存するエネルギー資源と鉱物資源は,急速に枯渇しつつある。
しかもわれわれは,地球の自然環境が持続的に再生産できるものを,はるかに超えて消費している。過剰な伐採や農耕,地下水のくみ上げ,牧畜,漁獲を行う時,われわれは自然の恵みの余禄を消費するだけでなく,その元本をもむさぼっている。経済と同様に生態系においても,これは破産への道である。
中国は,新たな経済モデルが必要であることを教えている。それは化石燃料に依存せず,風力や水力,地熱エネルギー,太陽電池,太陽熱発電,生物燃料などを含む,再生可能なエネルギー資源を活用するものである。新エネルギーを探すのは,石油地質学者ではなく風力気象学者の役割である。建物の設計には,エネルギー建築学者が参加するようになるに違いない。
この新しい経済の中で用いられる交通手段は,自動車ではなく,最大限の機動性を図るものになるだろう。この新経済は,あらゆる種類の資材を再利用し,再循環させる。工業の製造過程と製品の設計は,ゼロ排気とゼロ廃棄を目標にすることになる。
「現状維持」という選択肢は,もはや命脈が尽きた。われわれは直ちに別の道に向かう必要がある。石油,穀物,そして原材料の枯渇が,経済不安と政治紛争をもたらし,経済発展の基盤となる社会秩序を混乱に陥れる前に,そうしなければならない。
レスター・R・ブラウン氏=1934年米国生まれ。農務省局長を経て,74年ワールドウォッチ研究所所長。2001年5月から現職。』
(引用ここまで)
レスター・ブラウン氏は,米地球政策研究所理事長という立場から,地球全体の物の動きや消費の動向を正確に把握予測できる状況下にあると思います。そこで,このまま現在の経済モデルを続けていては,間違いなく人類は破滅に向かっていくと強く感じられ,このような論文を書かれたと思います。
レスター・ブラウン氏の予測が100%当たるとは思いませんが,このまま,資本主義という社会システムを続けていたら,時間的なものが早くなったり遅くなったりの違いはあるものの,それ以外は予測に近い状況が訪れる確立が高いと思います。
3.資本主義という社会システムでは地球の抱える諸問題を克服できない
人類が直面している問題,それは地球温暖化などの環境問題,資源の枯渇問題,人口問題などがあげられると思います。
なぜ,資本主義という社会システムではこれらの諸問題を克服できないのか?
わかり易い,自動車を例にとって説明してみます。
地球温暖化対策として,二酸化炭素(CO2)の排出を抑制する。そして,地球の限られた資源を有効的に活用するということを考えれば,自動車は個人で所有するよりも多くの人が共有して,その人が必要な時だけ使うということが有効な対策であることは,誰もが理解できることだと思います。
しかし,資本主義という社会システムでは,自動車を作ることによって命を維持している人が多数います。つまり,『自動車をみんなで共有すれば環境にいいのは百も承知だ。でも,それをやったら自分達が生きていけない。そんなことは,ダメだ。』となります。
資本主義という社会システムでは,地球全体の利益になることであっても,一部の人にとっては不利益になるため,本当に有効な対策を行うことがなかなかできません。
全体の利益と個の利益が一致しないという,この仕組みを直さない限り,現在,人類が直面している諸問題を克服することは困難であると思います。
では,どうしたら全体の利益と個の利益が一致するのか?それは,個で別々に利益を追求する手法から,全体で利益を共有し分かち合う手法に利益の求め方を変えることだと思います。
4.資本主義という社会システムに限界が訪れる原因
どうして,資本主義に限界が訪れるのか?
なぜ,資本主義は未来永劫続けることが不可能な社会システムなのか?
それは,資本主義という社会システムが,お金を稼がないと人間が生きていくことができない仕組みであること。そして,お金を無限にいくらでも稼いでもいいという仕組みであること。だと思います。
この社会システムで暮らす大多数の人は,お金が無ければ生きていくことができないと思い込んでいます。その結果,人間は,自分の命を維持する生存本能にしたがって,少しでも自分の生きる可能性を高めるために,人よりも少しでも多くのお金を集めようと競争に明け暮れます。
自然界には存在しない,お金というものに人間が囚われている限り,人類は自滅の道に一歩,一歩近づいていくと思います。
なぜ,お金に囚われていると自滅の道を歩むのか?
人間は,地球からの恵み(水,食料,資源等々)を得て生きています。今の世の中は,その地球からの恵みを手に入れるためにお金を支払います。つまり,地球からの恵み=お金であり,お金を稼ぐとは地球からの恵みを消費する行為であるとも言えると思います。
資本主義という社会システムは,お金を稼がないと人間が生きていくことができない仕組みですから,人々は生きるために豊かになるためにお金を少しでも多く稼ごうとします。また,お金は無限にいくらでも稼いでいいという仕組みですから,いろいろな手を使って,人よりも少しでも多く,お金を稼ごうとします。
お金を稼ごうとしている人間には,生きるために豊かになるためにお金を稼いでいるという感覚しかありません。それが,有限である地球からの恵みを消費しているなどということは,これぽっちも頭に浮かびません。頭に浮かぶのは,どうしたら人よりもお金を多く手に入れられるか。それだけです。
お金を前にすると人間は冷静な判断ができにくくなります。とにかく,自分だけは,この会社だけは,この国だけは,他の人より,他の会社より,他の国より,豊かになるために少しでも多くのお金を稼ぐ。回りがまったく見えなくなります。頭の中は,金,金,金です。
前記のレスター・ブラウン氏の論文では,現在,資本主義で豊かさを得ている人口が12億人,そして,将来の中国の予想人口14億5千万の人が,現在,豊かさを得ている12億人と同じような手法でお金を稼ぎ出したら,地球の恵み自体が不足する結果になると警告しています。
資本主義のお金を無限に好きなだけ集めてもいいよと言うことは,地球からの恵みを好きなだけ集めていいよということを意味します。しかし,地球からの恵みは無限ではなく有限です。そして,地球からの恵みは,地球に存在するすべての命の共有財産です。一握りの人間の個人財産ではありません。
資本主義のお金を好きなだけ稼いでもいいという仕組みは,人間の欲をかきたてます。生きるためにお金を稼ごう。どんどんお金を回して,いっぱいお金を稼いで豊かになろう。
地球に住む人が10億や20億で一定ならば,この仕組みでもなんとか対応できるかもしれませんが,人間のもっともっとと求める欲望にはキリがありません。現在の地球の人口60数億の人が,みんなで,もっともっとと際限なくお金を稼ぎ出したら,有限である地球からの恵みはみるみる減少し,その先にあるのは自滅の道です。お金に目がくらんで,自分達の大切な住み家である地球さえも食い潰してしまいます。
なぜ,人はお金を求めるのか・・・それは,幸せになりたいから。
この世を生きるすべての人が幸せになりたいと思っています。
人間には知恵があります。
それならば,未来永劫続いて,みんなが幸せに暮らせる社会システムを創ればよいと思います。それが唯一,人類の生き残る道であると思います。
5.新しい社会システムに必要な仕組み
近い将来に限界を向かえようとしている資本主義に変わり,未来永劫続く新しい社会システムに必要となる仕組みとはどのようなものか?
(1)生産と消費に対する基本的な考え方
新しい社会システムでは,有限である地球からの恵みを地球に存在するすべての命の共有財産と位置づけます。
そして,その地球からの恵みを大切に有効に使うために,
a.地球が持続的に再生産・再処理できる範囲内で生産し消費する。
b.人間が生きていく上で必要な物を必要なだけ生産し消費する。
c.使えるものは使えるまで使う,再生可能なものはすべて再生して使う。
の3原則が生産と消費に対する基本的な考え方となります。
(2)生きていく上で必要なお金が必要なだけ供給される社会
お金を稼がないと自分の命を維持することができない。そういう仕組みでは,人間は,自分の命を維持するという生存本能に従って,お金を一生懸命に稼ぎます。いくらお金を稼いでも,もっともっとと際限無くお金を稼ぎます。自分が生きる可能性を少しでも高めるために,少しでも多くのお金を稼ぐという行為が行われます。
新しい社会システムでは,人間の命を維持することとお金を稼ぐという行為を切り離します。すべての人に対して,生きていく上で必要なお金が必要なだけ供給されます。水道の蛇口をひねると水が出てくるように,生きていく上で必要なお金が供給されます。
資本主義という社会システムでは,生きるために,いかにしてお金を稼ぎ出すかという部分に人間の知恵が使われてきました。新しい社会システムでは,供給されたお金をいかに無駄無く有効に使うかという部分に人間の知恵が使われます。お金を無駄なく有効に使うとは,すべての命の共有財産である地球からの恵みを無駄なく大切に使うという地球全体の利益にかなった行為となります。
生きていく上で必要なお金が必要なだけ供給されたら,みんな遊んで働かなくなるのでは?と心配される方もおられると思います。
その答えは,半分正解で半分不正解です。新しい社会システムでは,働くことが遊びになります。すべての人が,自分の大好きなことを職業として,楽しみながら世のため人のために働きます。
別な言い方をすれば,お金を稼ぐために働く人,自分の楽しくないことを仕事とする人はひとりもいなくなります。すべての人が自分の大好きなこと,自分の得意なことを仕事として世の中に貢献します。
生きていく上で必要なお金が必要なだけ供給されたら,贅沢ざんまいし放題になるのでは?と考えられる方もおられると思います。
新しい社会システムでは,無条件にその人が生きていく上で必要なお金が必要なだけ供給されます。生きていく上でお金がどの程度必要になるかは,その人の判断に委ねられます。また,供給されたお金は,有限である地球からの恵みを大切に有効に使うという社会の大原則に則り,その人の判断により,無駄無く使うことが基本となります。
(3)みんなで利益を共有し分かち合う社会
自分だけは,自分の会社だけは,自分の町だけは,自分の県だけは,自分の国だけは,他の人よりも,他の会社よりも,他の町よりも,他の県よりも,他の国よりも,少しでも多くのお金を稼ぐ。そして,豊かになろう・・・という手法は,今の地球の人口では近い将来に限界を向かえると思います。
個人,会社,国が,別々に豊かさを追い求めて競争に明け暮れ,お金を追い求める。お金は好きなだけ集め放題。しかし,お金で手に入れる豊かさの元である地球からの恵みは有限です。有限なものを好きなだけ集めていたら,いつの日にか底をつきます。
人間が生きていくために地球からの恵みを使用すること。豊かさを求めていくことは必然だと思います。
しかし,個でバラバラに無限の豊かさを競争して求める資本主義の手法は,有限の物を無限に求めるという矛盾もさることながら,地球の恵みを大切に有効に使うという視点で見ると,多くのムダが発生し非常に効率の悪い手法だと思います。
新しい社会システムでは,豊かさの元となる地球からの恵みを大切に有効に使って,全体で豊かさを共有し分かち合います。
人間はひとりでは生きていくことができません。みんなで助け合って始めて生きていくことができます。自分のまわりを見回してみてください。電気が使えるのは電気屋さんのお陰,水道が使えるのは水道屋さんのお陰,ご飯が食べられるのはお百姓さんのお陰・・・自分の生活がみんなのお陰で成立っていることに気づきます。
つまり,この地球上では,みんなのお陰があって始めて自分が生きられるのですから,そのみんなと仲良く調和して生きていくことが,理にかなった生き方であると言えると思います。
このことから,みんなと豊かさを競い争うよりも,みんなと仲良く調和して豊かさを分かち合って生きていくほうが,より自然な生き方であることがわかります。
次に,具体的な利益の共有方法やどんな効果があるのかを簡単に説明してみます。
a.利益の共有方法
物やサービスの価格構成を資本主義と新しい社会システムで比較してみます。なお,一般的に資本主義の材料費と経費には,人件費,利益,税金が含まれていますが,ここでは,新しい社会システムとの比較を容易にするために,人件費,利益,税金を含まない純粋な材料費,純粋な経費と表現しています。
資本主義の価格構成=純粋な材料費+純粋な経費+人件費+利益+税金
新しい社会システムの価格構成=純粋な材料費+純粋な経費
価格構成を見てわかるとおり,新しい社会システムでは,物やサービスの価格は,純粋な材料費と純粋な経費で構成されます。資本主義の価格構成と比べて,価格に人件費,利益,税金が含まれていません。このうち人件費については,価格には計上されませんが,別途,国から各個人に対して生きていく上で必要なお金が必要なだけ供給されますので,実質,利益分と税金分が資本主義の価格より安くなります。この価格に利益と税金を見込まないことが利益の共有方法となります。
b.利益を共有することによる効果
物やサービスの価格に利益と税金を見込まないことにより,利益と税金を稼ぎ出すために消費される地球からの恵みを節約できます。
これは,豊かさの元となる地球からの恵みを大切に有効に使うという,地球全体の利益にかなった効果を生み出します。
また,利益を共有することにより,地球全体の利益と個の利益が一致するという効果も生み出します。このことにより,地球全体が一丸となって地球の諸問題に対して,迅速に最適な対策を行うことができるようになります。
6.新しい社会システムが地球の抱える諸問題を克服する
なぜ,未来永劫続く,新しい社会システムは,地球の抱える諸問題を克服できるのか?
(1)地球の抱える諸問題の根本的な原因と解決策
地球の抱える諸問題のうち地球温暖化をはじめとする環境問題や資源の枯渇問題の大きな原因としては,人間の経済活動が考えられると思います。
みんなで,もっともっとと限りなくお金を追い求め,地球が持続的に再生産・再処理できる量をはるかに超過して消費する。ひとつしかない地球を地球がいくつもあるかのような過剰な消費。これに対する地球からの警告が,地球温暖化をはじめとする環境問題や資源の枯渇問題であるとも言えると思います。
また,人口増加や飢餓の問題の大きな原因としては,貧困が考えられると思います。
どんなに多くのお金を持っていても,いつも『足らない』と思い,もっともっととお金を追い求める。自分が足らないのに人に分け与える分など無い。まずは,自分の足らない分を満たしてから・・・,しかし,自分の足らない分は永遠に満たされることはありません。これが,地球で,いつまで経っても貧困が無くならない大きな理由だと思います。
地球の抱える諸問題の根本的な原因,それは,人間の『足らない』という思いだと思います。
足らないから,もっともっとと限りなくお金を追い求める。
なぜ,十分に足りていても足らないと思うのか?
それは,お金を稼がないと自分が生きていくことができないから・・・
自分の一番大切な命を守るためにお金を追い求める。
地球の抱える諸問題の根本的な解決策としては,人間の『足らない』という思いを『足りている』という思いに変えること。つまり,人間がお金を稼がなくても生きていくことができる仕組みを創ること。だと思います。
(2)利益を共有し分かち合うことが地球温暖化の有効な手立てとなる
地球温暖化の原因としては,人間の経済活動がひとつの原因としてあげられ,その対策としては二酸化炭素(CO2)の排出を抑制することが有効であると考えられています。
地球温暖化は,まった無しの状況ですが,CO2の排出抑制の対策として,本当に有効な対策は見つかっていないのが現状です。
CO2の排出を抑制するには,現状の豊かさを維持しつつ,人間の経済活動をいかに抑えるかがポイントになってくると思います。
ここで,現在,地球全体で消費されている地球からの恵みと新しい社会システムの地球からの恵みの推定消費量の内訳を比較してみます。
地球全体の地球からの恵みの推定消費量内訳比較表
比較表を見てわかるとおり,新しい社会システムでは,利益を共有し分かち合うため,現在の地球と比べて,利益と税金を稼ぎ出すために消費される地球からの恵みが節約されます。
また,現在の地球と比べて,利益と税金を稼ぎ出すために排出されていたCO2が発生しないという効果も生み出します。
これらのことは,新しい社会システムでは,現状の豊かさを維持しつつ,人間の経済活動を抑えることが可能であることも教えてくれます。
利益と税金を稼ぎ出すために排出されるCO2が,全排出量に対してどの程度の割合になるかは誰にもわかりませんが,現在の物の価格に占める利益と税金の割合から考えれば,かなりの量になることが予想されます。
利益,税金を稼ぎ出すために消費していた地球からの恵みを,消費しないことによりCO2を抑制する。個の利益として使用していたものを地球という自分達の住み家を守るという地球全体の利益として使う。それが利益を共有し分かち合うということです。
(3)結論
地球の抱える諸問題を克服するには,
利益を共有し分かち合う仕組みを創ること。
人間がお金を稼がなくとも生きていくことができる仕組みを創ること。
の2つの条件をクリアすることが必要であると思います。
新しい社会システムでは,有限である地球からの恵みを地球に存在するすべての命の共有財産と位置づけます。そして,その地球からの恵みを大切に有効に使うことを社会の大原則として,みんなで利益を共有し分かち合って生きます。
また,新しい社会システムでは,人間の命を維持することとお金を稼ぐという行為を切り離します。すべての人に対して,生きていく上で必要なお金が必要なだけ供給されます。そして,自分の大好きなことを職業として楽しんで世のため人のために働きます。
ひとりは全体のために,そして,全体はひとりのために
ひとりは,自分の大好きなことで全体に貢献する。
全体は,ひとりの命を支える。
(引用)
『中国版の「アメリカン・ドリーム」は,世界にとって「悪夢」になるのだろうか。いまや中国は,豊かさの象徴である「米国の夢」を急速に自分のものとしつつある。すでに何百万もの中国人が,まるで米国人のように肉を食べ,車に乗り,海外を旅行している。その背景には,急速な所得の向上がある。こうした米国型の消費者は,まだ13億の人口のごく一部である。だが,地球上の資源に対する中国の食欲は,すでに目に見えて大きくなっている。
中国経済における食糧,エネルギー,工業部門で使われる五つの基本材料,穀物と食肉,石炭と石油,そして鉄鋼の消費量は,石油だけを除き,すでに米国を上回っている。中国の1人当たり資源使用量は,いずれ現在の米国並みになるのだろうか。また,それと深く関連するが,現在の中国人1人当たり年間所得5300ドルが,3万8000ドルという2004年の米国の数字に並ぶまで,何年かかるのだろうか。
中国経済は,1978年に大規模改革を始めて以来,26年間にわたって,年率9.5%の急速な成長を遂げてきた。今後8%成長を続けるとすれば,経済規模は9年ごとに倍になり,2031年,推定人口14億5000万の中国人の年間所得は,3万8000ドルに達する。控えめな6%成長を仮定すれば,経済は12年ごとに倍になり,40年に,現在の米国の所得に追い付く。
ここでは8%成長を前提に,31年の中国が,今の米国並みの貪欲さで資源を消費すると仮定したい。肉や牛乳,卵が豊富な米国風の食事を維持するのに必要な,1人当たり穀物消費量は,現在の291キロ・グラムから935キロ・グラムに上昇する。31年の中国は,04年の3億8200万トンを大幅に上回る,13億5200万トンの穀物を消費することになる。04年,世界全体の穀物収穫量は,20億トン強だった。これは,その3分の2に等しい数字である。
いま世界に存在する耕地の生産性を高めることには限界がある。中国の消費に応えるため10億トンの穀物を追加生産するとすれば,ブラジルに残存する熱帯雨林の大部分に相当する広さを穀物生産用の耕地に変えることになる。もちろんこれは,開墾した土地が農耕に堪えることを前提にしての話である。
2004年,米国の1人当たり食肉消費量は125キロ・グラムだった。31年の中国がこの水準に達するとすれば,年間消費量は現在の6400万トンから1億8100万トンに増加する。これは,目下の世界食肉生産量2億3900万トンの,ほぼ5分の4に相当する。
エネルギー関連の数字は,さらに驚くべきものである。もし中国が,今の米国並みの割合で石油を使えば,31年までに,日量9900万バレルの石油が必要になる。目下,世界の石油生産量は日量7900万バレルであり,これを大きく超えるのは無理かもしれない。
石炭も同様である。もし中国の石炭使用量が,現在の米国並みの1人当たり2トンに達すれば,使用総量は年間28億トンとなり,現在の世界総生産量25億トンを上回ることになる。
これほど大量の化石燃料を燃やせば,息苦しくなるだけでは済まない。中国による化石燃料の使用から生じる炭素排出量だけでも,現在の世界全体の排出量と並ぶだろう。手に負えないほど急速な気候変動が発生し,食糧安全保障を脅かし,沿岸部の都市を水浸しにするかもしれない。
また,中国の1人当たり鉄鋼消費量が米国並みに増えることは,総使用量が,現在の2億5800万トンから,5億1100万トンに跳ね上がることを意味する。これは,欧米先進諸国全体の現消費量に匹敵する。
さらに,近代化のもう一つの指標である紙の使用量を見てみよう。現在,年間わずか27キロ・グラムの1人当たり使用量が,31年に今の米国並みの210キロ・グラムに増加すれば,中国は3億300万トンの紙を必要とする。これは,目下の世界総生産量1億5700万トンの,ほぼ倍である。世界中の森林が消えるだろう。
車はどうなるのか。もし中国の自家用車保有台数が,米国並みの1人当たり0.77台になれば,31年の総保有台数は11億台となり,今の世界全体の総数7億9500万台を,はるかに上回る。これほど大量の車のために一般道路や高速道路,駐車場などを舗装するとすれば,その広さは,現在の中国の稲作面積に近いものになるだろう。
以上の予測は,中国の使い過ぎを非難するためのものではない。人類の大きな部分が,地球規模で急速に経済的地位を向上させると,何が起きるかを知るためのものである。欧米の経済発展モデルは,化石燃料を基盤とし,自動車に依存する使い捨て経済だが,これは中国では機能しない。要するに十分な資源が存在しないからである。
もし中国で機能しなければ,年率7%で経済成長し,30年までに人口が中国を追い越すとされるインドでも機能しないだろう。「米国の夢」にあこがれる,そのほかの発展途上諸国の30億人にとってもまた,機能しないだろう。そして,地球規模の経済一体化がますます進み,縮小しつつある資源をあらゆる国が同時に争う時,いま豊かな工業社会に暮らしている12億人にとってもまた,この経済モデルが機能し続けることはないだろう。それが恐らく,最も重要なことである。
現在の経済モデルでは経済発展を維持し得ない。先進諸国がそれに早く気付けば気付くほど,良い結果を全世界にもたらすだろう。現在の消費水準が地球に及ぼす負担はあまりにも大きく,現代の産業経済が依存するエネルギー資源と鉱物資源は,急速に枯渇しつつある。
しかもわれわれは,地球の自然環境が持続的に再生産できるものを,はるかに超えて消費している。過剰な伐採や農耕,地下水のくみ上げ,牧畜,漁獲を行う時,われわれは自然の恵みの余禄を消費するだけでなく,その元本をもむさぼっている。経済と同様に生態系においても,これは破産への道である。
中国は,新たな経済モデルが必要であることを教えている。それは化石燃料に依存せず,風力や水力,地熱エネルギー,太陽電池,太陽熱発電,生物燃料などを含む,再生可能なエネルギー資源を活用するものである。新エネルギーを探すのは,石油地質学者ではなく風力気象学者の役割である。建物の設計には,エネルギー建築学者が参加するようになるに違いない。
この新しい経済の中で用いられる交通手段は,自動車ではなく,最大限の機動性を図るものになるだろう。この新経済は,あらゆる種類の資材を再利用し,再循環させる。工業の製造過程と製品の設計は,ゼロ排気とゼロ廃棄を目標にすることになる。
「現状維持」という選択肢は,もはや命脈が尽きた。われわれは直ちに別の道に向かう必要がある。石油,穀物,そして原材料の枯渇が,経済不安と政治紛争をもたらし,経済発展の基盤となる社会秩序を混乱に陥れる前に,そうしなければならない。
レスター・R・ブラウン氏=1934年米国生まれ。農務省局長を経て,74年ワールドウォッチ研究所所長。2001年5月から現職。』
(引用ここまで)
レスター・ブラウン氏は,米地球政策研究所理事長という立場から,地球全体の物の動きや消費の動向を正確に把握予測できる状況下にあると思います。そこで,このまま現在の経済モデルを続けていては,間違いなく人類は破滅に向かっていくと強く感じられ,このような論文を書かれたと思います。
レスター・ブラウン氏の予測が100%当たるとは思いませんが,このまま,資本主義という社会システムを続けていたら,時間的なものが早くなったり遅くなったりの違いはあるものの,それ以外は予測に近い状況が訪れる確立が高いと思います。
3.資本主義という社会システムでは地球の抱える諸問題を克服できない
人類が直面している問題,それは地球温暖化などの環境問題,資源の枯渇問題,人口問題などがあげられると思います。
なぜ,資本主義という社会システムではこれらの諸問題を克服できないのか?
わかり易い,自動車を例にとって説明してみます。
地球温暖化対策として,二酸化炭素(CO2)の排出を抑制する。そして,地球の限られた資源を有効的に活用するということを考えれば,自動車は個人で所有するよりも多くの人が共有して,その人が必要な時だけ使うということが有効な対策であることは,誰もが理解できることだと思います。
しかし,資本主義という社会システムでは,自動車を作ることによって命を維持している人が多数います。つまり,『自動車をみんなで共有すれば環境にいいのは百も承知だ。でも,それをやったら自分達が生きていけない。そんなことは,ダメだ。』となります。
資本主義という社会システムでは,地球全体の利益になることであっても,一部の人にとっては不利益になるため,本当に有効な対策を行うことがなかなかできません。
全体の利益と個の利益が一致しないという,この仕組みを直さない限り,現在,人類が直面している諸問題を克服することは困難であると思います。
では,どうしたら全体の利益と個の利益が一致するのか?それは,個で別々に利益を追求する手法から,全体で利益を共有し分かち合う手法に利益の求め方を変えることだと思います。
4.資本主義という社会システムに限界が訪れる原因
どうして,資本主義に限界が訪れるのか?
なぜ,資本主義は未来永劫続けることが不可能な社会システムなのか?
それは,資本主義という社会システムが,お金を稼がないと人間が生きていくことができない仕組みであること。そして,お金を無限にいくらでも稼いでもいいという仕組みであること。だと思います。
この社会システムで暮らす大多数の人は,お金が無ければ生きていくことができないと思い込んでいます。その結果,人間は,自分の命を維持する生存本能にしたがって,少しでも自分の生きる可能性を高めるために,人よりも少しでも多くのお金を集めようと競争に明け暮れます。
自然界には存在しない,お金というものに人間が囚われている限り,人類は自滅の道に一歩,一歩近づいていくと思います。
なぜ,お金に囚われていると自滅の道を歩むのか?
人間は,地球からの恵み(水,食料,資源等々)を得て生きています。今の世の中は,その地球からの恵みを手に入れるためにお金を支払います。つまり,地球からの恵み=お金であり,お金を稼ぐとは地球からの恵みを消費する行為であるとも言えると思います。
資本主義という社会システムは,お金を稼がないと人間が生きていくことができない仕組みですから,人々は生きるために豊かになるためにお金を少しでも多く稼ごうとします。また,お金は無限にいくらでも稼いでいいという仕組みですから,いろいろな手を使って,人よりも少しでも多く,お金を稼ごうとします。
お金を稼ごうとしている人間には,生きるために豊かになるためにお金を稼いでいるという感覚しかありません。それが,有限である地球からの恵みを消費しているなどということは,これぽっちも頭に浮かびません。頭に浮かぶのは,どうしたら人よりもお金を多く手に入れられるか。それだけです。
お金を前にすると人間は冷静な判断ができにくくなります。とにかく,自分だけは,この会社だけは,この国だけは,他の人より,他の会社より,他の国より,豊かになるために少しでも多くのお金を稼ぐ。回りがまったく見えなくなります。頭の中は,金,金,金です。
前記のレスター・ブラウン氏の論文では,現在,資本主義で豊かさを得ている人口が12億人,そして,将来の中国の予想人口14億5千万の人が,現在,豊かさを得ている12億人と同じような手法でお金を稼ぎ出したら,地球の恵み自体が不足する結果になると警告しています。
資本主義のお金を無限に好きなだけ集めてもいいよと言うことは,地球からの恵みを好きなだけ集めていいよということを意味します。しかし,地球からの恵みは無限ではなく有限です。そして,地球からの恵みは,地球に存在するすべての命の共有財産です。一握りの人間の個人財産ではありません。
資本主義のお金を好きなだけ稼いでもいいという仕組みは,人間の欲をかきたてます。生きるためにお金を稼ごう。どんどんお金を回して,いっぱいお金を稼いで豊かになろう。
地球に住む人が10億や20億で一定ならば,この仕組みでもなんとか対応できるかもしれませんが,人間のもっともっとと求める欲望にはキリがありません。現在の地球の人口60数億の人が,みんなで,もっともっとと際限なくお金を稼ぎ出したら,有限である地球からの恵みはみるみる減少し,その先にあるのは自滅の道です。お金に目がくらんで,自分達の大切な住み家である地球さえも食い潰してしまいます。
なぜ,人はお金を求めるのか・・・それは,幸せになりたいから。
この世を生きるすべての人が幸せになりたいと思っています。
人間には知恵があります。
それならば,未来永劫続いて,みんなが幸せに暮らせる社会システムを創ればよいと思います。それが唯一,人類の生き残る道であると思います。
5.新しい社会システムに必要な仕組み
近い将来に限界を向かえようとしている資本主義に変わり,未来永劫続く新しい社会システムに必要となる仕組みとはどのようなものか?
(1)生産と消費に対する基本的な考え方
新しい社会システムでは,有限である地球からの恵みを地球に存在するすべての命の共有財産と位置づけます。
そして,その地球からの恵みを大切に有効に使うために,
a.地球が持続的に再生産・再処理できる範囲内で生産し消費する。
b.人間が生きていく上で必要な物を必要なだけ生産し消費する。
c.使えるものは使えるまで使う,再生可能なものはすべて再生して使う。
の3原則が生産と消費に対する基本的な考え方となります。
(2)生きていく上で必要なお金が必要なだけ供給される社会
お金を稼がないと自分の命を維持することができない。そういう仕組みでは,人間は,自分の命を維持するという生存本能に従って,お金を一生懸命に稼ぎます。いくらお金を稼いでも,もっともっとと際限無くお金を稼ぎます。自分が生きる可能性を少しでも高めるために,少しでも多くのお金を稼ぐという行為が行われます。
新しい社会システムでは,人間の命を維持することとお金を稼ぐという行為を切り離します。すべての人に対して,生きていく上で必要なお金が必要なだけ供給されます。水道の蛇口をひねると水が出てくるように,生きていく上で必要なお金が供給されます。
資本主義という社会システムでは,生きるために,いかにしてお金を稼ぎ出すかという部分に人間の知恵が使われてきました。新しい社会システムでは,供給されたお金をいかに無駄無く有効に使うかという部分に人間の知恵が使われます。お金を無駄なく有効に使うとは,すべての命の共有財産である地球からの恵みを無駄なく大切に使うという地球全体の利益にかなった行為となります。
生きていく上で必要なお金が必要なだけ供給されたら,みんな遊んで働かなくなるのでは?と心配される方もおられると思います。
その答えは,半分正解で半分不正解です。新しい社会システムでは,働くことが遊びになります。すべての人が,自分の大好きなことを職業として,楽しみながら世のため人のために働きます。
別な言い方をすれば,お金を稼ぐために働く人,自分の楽しくないことを仕事とする人はひとりもいなくなります。すべての人が自分の大好きなこと,自分の得意なことを仕事として世の中に貢献します。
生きていく上で必要なお金が必要なだけ供給されたら,贅沢ざんまいし放題になるのでは?と考えられる方もおられると思います。
新しい社会システムでは,無条件にその人が生きていく上で必要なお金が必要なだけ供給されます。生きていく上でお金がどの程度必要になるかは,その人の判断に委ねられます。また,供給されたお金は,有限である地球からの恵みを大切に有効に使うという社会の大原則に則り,その人の判断により,無駄無く使うことが基本となります。
(3)みんなで利益を共有し分かち合う社会
自分だけは,自分の会社だけは,自分の町だけは,自分の県だけは,自分の国だけは,他の人よりも,他の会社よりも,他の町よりも,他の県よりも,他の国よりも,少しでも多くのお金を稼ぐ。そして,豊かになろう・・・という手法は,今の地球の人口では近い将来に限界を向かえると思います。
個人,会社,国が,別々に豊かさを追い求めて競争に明け暮れ,お金を追い求める。お金は好きなだけ集め放題。しかし,お金で手に入れる豊かさの元である地球からの恵みは有限です。有限なものを好きなだけ集めていたら,いつの日にか底をつきます。
人間が生きていくために地球からの恵みを使用すること。豊かさを求めていくことは必然だと思います。
しかし,個でバラバラに無限の豊かさを競争して求める資本主義の手法は,有限の物を無限に求めるという矛盾もさることながら,地球の恵みを大切に有効に使うという視点で見ると,多くのムダが発生し非常に効率の悪い手法だと思います。
新しい社会システムでは,豊かさの元となる地球からの恵みを大切に有効に使って,全体で豊かさを共有し分かち合います。
人間はひとりでは生きていくことができません。みんなで助け合って始めて生きていくことができます。自分のまわりを見回してみてください。電気が使えるのは電気屋さんのお陰,水道が使えるのは水道屋さんのお陰,ご飯が食べられるのはお百姓さんのお陰・・・自分の生活がみんなのお陰で成立っていることに気づきます。
つまり,この地球上では,みんなのお陰があって始めて自分が生きられるのですから,そのみんなと仲良く調和して生きていくことが,理にかなった生き方であると言えると思います。
このことから,みんなと豊かさを競い争うよりも,みんなと仲良く調和して豊かさを分かち合って生きていくほうが,より自然な生き方であることがわかります。
次に,具体的な利益の共有方法やどんな効果があるのかを簡単に説明してみます。
a.利益の共有方法
物やサービスの価格構成を資本主義と新しい社会システムで比較してみます。なお,一般的に資本主義の材料費と経費には,人件費,利益,税金が含まれていますが,ここでは,新しい社会システムとの比較を容易にするために,人件費,利益,税金を含まない純粋な材料費,純粋な経費と表現しています。
資本主義の価格構成=純粋な材料費+純粋な経費+人件費+利益+税金
新しい社会システムの価格構成=純粋な材料費+純粋な経費
価格構成を見てわかるとおり,新しい社会システムでは,物やサービスの価格は,純粋な材料費と純粋な経費で構成されます。資本主義の価格構成と比べて,価格に人件費,利益,税金が含まれていません。このうち人件費については,価格には計上されませんが,別途,国から各個人に対して生きていく上で必要なお金が必要なだけ供給されますので,実質,利益分と税金分が資本主義の価格より安くなります。この価格に利益と税金を見込まないことが利益の共有方法となります。
b.利益を共有することによる効果
物やサービスの価格に利益と税金を見込まないことにより,利益と税金を稼ぎ出すために消費される地球からの恵みを節約できます。
これは,豊かさの元となる地球からの恵みを大切に有効に使うという,地球全体の利益にかなった効果を生み出します。
また,利益を共有することにより,地球全体の利益と個の利益が一致するという効果も生み出します。このことにより,地球全体が一丸となって地球の諸問題に対して,迅速に最適な対策を行うことができるようになります。
6.新しい社会システムが地球の抱える諸問題を克服する
なぜ,未来永劫続く,新しい社会システムは,地球の抱える諸問題を克服できるのか?
(1)地球の抱える諸問題の根本的な原因と解決策
地球の抱える諸問題のうち地球温暖化をはじめとする環境問題や資源の枯渇問題の大きな原因としては,人間の経済活動が考えられると思います。
みんなで,もっともっとと限りなくお金を追い求め,地球が持続的に再生産・再処理できる量をはるかに超過して消費する。ひとつしかない地球を地球がいくつもあるかのような過剰な消費。これに対する地球からの警告が,地球温暖化をはじめとする環境問題や資源の枯渇問題であるとも言えると思います。
また,人口増加や飢餓の問題の大きな原因としては,貧困が考えられると思います。
どんなに多くのお金を持っていても,いつも『足らない』と思い,もっともっととお金を追い求める。自分が足らないのに人に分け与える分など無い。まずは,自分の足らない分を満たしてから・・・,しかし,自分の足らない分は永遠に満たされることはありません。これが,地球で,いつまで経っても貧困が無くならない大きな理由だと思います。
地球の抱える諸問題の根本的な原因,それは,人間の『足らない』という思いだと思います。
足らないから,もっともっとと限りなくお金を追い求める。
なぜ,十分に足りていても足らないと思うのか?
それは,お金を稼がないと自分が生きていくことができないから・・・
自分の一番大切な命を守るためにお金を追い求める。
地球の抱える諸問題の根本的な解決策としては,人間の『足らない』という思いを『足りている』という思いに変えること。つまり,人間がお金を稼がなくても生きていくことができる仕組みを創ること。だと思います。
(2)利益を共有し分かち合うことが地球温暖化の有効な手立てとなる
地球温暖化の原因としては,人間の経済活動がひとつの原因としてあげられ,その対策としては二酸化炭素(CO2)の排出を抑制することが有効であると考えられています。
地球温暖化は,まった無しの状況ですが,CO2の排出抑制の対策として,本当に有効な対策は見つかっていないのが現状です。
CO2の排出を抑制するには,現状の豊かさを維持しつつ,人間の経済活動をいかに抑えるかがポイントになってくると思います。
ここで,現在,地球全体で消費されている地球からの恵みと新しい社会システムの地球からの恵みの推定消費量の内訳を比較してみます。
地球全体の地球からの恵みの推定消費量内訳比較表
現在の地球 | 新しい社会システム |
| 純粋な材料費として消費される分 | 純粋な材料費として消費される分 |
| 純粋な経費として消費される分 | 純粋な経費として消費される分 |
| 人件費として消費される分 | 人件費として消費される分 |
| 利益として消費される分 | − |
| 税金として消費される分 | − |
比較表を見てわかるとおり,新しい社会システムでは,利益を共有し分かち合うため,現在の地球と比べて,利益と税金を稼ぎ出すために消費される地球からの恵みが節約されます。
また,現在の地球と比べて,利益と税金を稼ぎ出すために排出されていたCO2が発生しないという効果も生み出します。
これらのことは,新しい社会システムでは,現状の豊かさを維持しつつ,人間の経済活動を抑えることが可能であることも教えてくれます。
利益と税金を稼ぎ出すために排出されるCO2が,全排出量に対してどの程度の割合になるかは誰にもわかりませんが,現在の物の価格に占める利益と税金の割合から考えれば,かなりの量になることが予想されます。
利益,税金を稼ぎ出すために消費していた地球からの恵みを,消費しないことによりCO2を抑制する。個の利益として使用していたものを地球という自分達の住み家を守るという地球全体の利益として使う。それが利益を共有し分かち合うということです。
(3)結論
地球の抱える諸問題を克服するには,
利益を共有し分かち合う仕組みを創ること。
人間がお金を稼がなくとも生きていくことができる仕組みを創ること。
の2つの条件をクリアすることが必要であると思います。
新しい社会システムでは,有限である地球からの恵みを地球に存在するすべての命の共有財産と位置づけます。そして,その地球からの恵みを大切に有効に使うことを社会の大原則として,みんなで利益を共有し分かち合って生きます。
また,新しい社会システムでは,人間の命を維持することとお金を稼ぐという行為を切り離します。すべての人に対して,生きていく上で必要なお金が必要なだけ供給されます。そして,自分の大好きなことを職業として楽しんで世のため人のために働きます。
ひとりは全体のために,そして,全体はひとりのために
ひとりは,自分の大好きなことで全体に貢献する。
全体は,ひとりの命を支える。
それが,新しい社会システムです。
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