2012年11月18日

まえがき

 パナソニックの創業者である松下幸之助氏は,『全世界の人々にこうしたらいい,こうしたら人間の幸せというものが約束できるという信条を発見したら,それを発表したらいいわけや。そんな完全なものまでいかんでも,これが今いちばん現世においては最高のできやという論文ができたら,それを発表したらいいわけやな。きわめて簡単やろ,君()。できないことはないで。』と語られたそうです。(『リーダーになる人に知っておいてほしいこと』P.42 PHP研究所)


 この論文では,資本主義という社会システムに変わる,新しい社会システムについて提案しています。


 今までの常識や価値観では,考えられないようなことが書かれていますが,決して夢物語ではありません。みんなが豊かに栄えることができる世の中の仕組みです。それを実現するには,今,みなさんが常識だと思っていることを,ちょっと変えるだけで可能です。
posted by 共生イイロー  at 02:26| まえがき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

1−1.資本主義の限界が近づいている

 『読売新聞』2005(平成17)年5月2日,朝刊1面の「地球を読む」にレスター・R・ブラウン米地球政策研究所理事長が,『中国貪欲な資源消費,「米国の夢」猛追,使い捨て経済いずれ限界』の見出しで論文を掲載しています。
 
 
(引用)

『中国版の「アメリカン・ドリーム」は,世界にとって「悪夢」になるのだろうか。いまや中国は,豊かさの象徴である「米国の夢」を急速に自分のものとしつつある。すでに何百万もの中国人が,まるで米国人のように肉を食べ,車に乗り,海外を旅行している。その背景には,急速な所得の向上がある。こうした米国型の消費者は,まだ13億の人口のごく一部である。だが,地球上の資源に対する中国の食欲は,すでに目に見えて大きくなっている。

  

中国経済における食糧,エネルギー,工業部門で使われる五つの基本材料,穀物と食肉,石炭と石油,そして鉄鋼の消費量は,石油だけを除き,すでに米国を上回っている。中国の1人当たり資源使用量は,いずれ現在の米国並みになるのだろうか。また,それと深く関連するが,現在の中国人1人当たり年間所得5300ドルが,3万8000ドルという2004年の米国の数字に並ぶまで,何年かかるのだろうか。

 

中国経済は,1978年に大規模改革を始めて以来,26年間にわたって,年率9.5%の急速な成長を遂げてきた。今後8%成長を続けるとすれば,経済規模は9年ごとに倍になり,2031年,推定人口14億5000万の中国人の年間所得は,3万8000ドルに達する。控えめな6%成長を仮定すれば,経済は12年ごとに倍になり,40年に,現在の米国の所得に追い付く。

 

ここでは8%成長を前提に,31年の中国が,今の米国並みの貪欲さで資源を消費すると仮定したい。肉や牛乳,卵が豊富な米国風の食事を維持するのに必要な,1人当たり穀物消費量は,現在の291キロ・グラムから935キロ・グラムに上昇する。31年の中国は,04年の3億8200万トンを大幅に上回る,13億5200万トンの穀物を消費することになる。04年,世界全体の穀物収穫量は,20億トン強だった。これは,その3分の2に等しい数字である。

 

いま世界に存在する耕地の生産性を高めることには限界がある。中国の消費に応えるため10億トンの穀物を追加生産するとすれば,ブラジルに残存する熱帯雨林の大部分に相当する広さを穀物生産用の耕地に変えることになる。もちろんこれは,開墾した土地が農耕に堪えることを前提にしての話である。

 

2004年,米国の1人当たり食肉消費量は125キロ・グラムだった。31年の中国がこの水準に達するとすれば,年間消費量は現在の6400万トンから1億8100万トンに増加する。これは,目下の世界食肉生産量2億3900万トンの,ほぼ5分の4に相当する。

 

エネルギー関連の数字は,さらに驚くべきものである。もし中国が,今の米国並みの割合で石油を使えば,31年までに,日量9900万バレルの石油が必要になる。目下,世界の石油生産量は日量7900万バレルであり,これを大きく超えるのは無理かもしれない。

 

石炭も同様である。もし中国の石炭使用量が,現在の米国並みの1人当たり2トンに達すれば,使用総量は年間28億トンとなり,現在の世界総生産量25億トンを上回ることになる。

 

これほど大量の化石燃料を燃やせば,息苦しくなるだけでは済まない。中国による化石燃料の使用から生じる炭素排出量だけでも,現在の世界全体の排出量と並ぶだろう。手に負えないほど急速な気候変動が発生し,食糧安全保障を脅かし,沿岸部の都市を水浸しにするかもしれない。

 

また,中国の1人当たり鉄鋼消費量が米国並みに増えることは,総使用量が,現在の2億5800万トンから,5億1100万トンに跳ね上がることを意味する。これは,欧米先進諸国全体の現消費量に匹敵する。

 

さらに,近代化のもう一つの指標である紙の使用量を見てみよう。現在,年間わずか27キロ・グラムの1人当たり使用量が,31年に今の米国並みの210キロ・グラムに増加すれば,中国は3億300万トンの紙を必要とする。これは,目下の世界総生産量1億5700万トンの,ほぼ倍である。世界中の森林が消えるだろう。

 

車はどうなるのか。もし中国の自家用車保有台数が,米国並みの1人当たり0.77台になれば,31年の総保有台数は11億台となり,今の世界全体の総数7億9500万台を,はるかに上回る。これほど大量の車のために一般道路や高速道路,駐車場などを舗装するとすれば,その広さは,現在の中国の稲作面積に近いものになるだろう。

 

以上の予測は,中国の使い過ぎを非難するためのものではない。人類の大きな部分が,地球規模で急速に経済的地位を向上させると,何が起きるかを知るためのものである。欧米の経済発展モデルは,化石燃料を基盤とし,自動車に依存する使い捨て経済だが,これは中国では機能しない。要するに十分な資源が存在しないからである。

 もし中国で機能しなければ,年率7%で経済成長し,30年までに人口が中国を追い越すとされるインドでも機能しないだろう。「米国の夢」にあこがれる,そのほかの発展途上諸国の30億人にとってもまた,機能しないだろう。そして,地球規模の経済一体化がますます進み,縮小しつつある資源をあらゆる国が同時に争う時,いま豊かな工業社会に暮らしている12億人にとってもまた,この経済モデルが機能し続けることはないだろう。それが恐らく,最も重要なことである。

 現在の経済モデルでは経済発展を維持し得ない。先進諸国がそれに早く気付けば気付くほど,良い結果を全世界にもたらすだろう。現在の消費水準が地球に及ぼす負担はあまりにも大きく,現代の産業経済が依存するエネルギー資源と鉱物資源は,急速に枯渇しつつある。

 しかもわれわれは,地球の自然環境が持続的に再生産できるものを,はるかに超えて消費している。過剰な伐採や農耕,地下水のくみ上げ,牧畜,漁獲を行う時,われわれは自然の恵みの余禄を消費するだけでなく,その元本をもむさぼっている。経済と同様に生態系においても,これは破産への道である。

中国は,新たな経済モデルが必要であることを教えている。それは化石燃料に依存せず,風力や水力,地熱エネルギー,太陽電池,太陽熱発電,生物燃料などを含む,再生可能なエネルギー資源を活用するものである。新エネルギーを探すのは,石油地質学者ではなく風力気象学者の役割である。建物の設計には,エネルギー建築学者が参加するようになるに違いない。

 

この新しい経済の中で用いられる交通手段は,自動車ではなく,最大限の機動性を図るものになるだろう。この新経済は,あらゆる種類の資材を再利用し,再循環させる。工業の製造過程と製品の設計は,ゼロ排気とゼロ廃棄を目標にすることになる。

 「現状維持」という選択肢は,もはや命脈が尽きた。われわれは直ちに別の道に向かう必要がある。石油,穀物,そして原材料の枯渇が,経済不安と政治紛争をもたらし,経済発展の基盤となる社会秩序を混乱に陥れる前に,そうしなければならない。

 レスター・R・ブラウン氏=1934年米国生まれ。農務省局長を経て,74年ワールドウォッチ研究所所長。2001年5月から現職。』
(引用ここまで) 


レスター・R・ブラウン氏は,米地球政策研究所理事長という立場から,地球全体の物の動きや,消費の動向を正確に把握予測できる状況下にあると思います。そこで,このまま現在の経済モデルを続けていては,人類は破滅に向かっていくと,強く感じられ,このような論文を書かれたと思います。

 
 
posted by 共生イイロー  at 02:19| 第1章 なぜ,新しい社会システムが必要なのか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

1−2.資本主義に限界が訪れる原因

 どうして,資本主義に限界が訪れるのか?
 なぜ,資本主義は,未来永劫続けることが不可能な社会システムなのか?


  
それは,資本主義という社会システムが,お金を稼がないと,人間が生きていけない仕組みのためだと思います。

 
この社会システムで暮らす大多数の人は,お金が無ければ,生きていけないと思い込んでいます。その結果,人間は,自分の命を維持するという生存本能に従ってお金を一生懸命に稼ぎます。いくらお金を稼いでも,もっと,もっとと,際限無くお金を稼ぎます。自分が,生きる可能性を少しでも高めるために,人よりも少しでも多くのお金を稼ぐという行為が行われます。


 前記のレスター・R・ブラウン氏の論文では,現在,資本主義で豊かさを得ている人口が12億人,そして,将来の中国の予想人口14億5千万の人が,現在,豊かさを得ている12億人と同じような手法でお金を稼ぎ出したら,地球が持続的に再生産できるものを,はるかに超過する結果になると警告しています。


 人間には,知恵があります。
 それならば,未来永劫続いて,みんなが豊かに栄えることができる社会システムを創ればよいと思います。それが唯一,人類が生き残る道だと思います。










  




 

posted by 共生イイロー  at 02:08| 第1章 なぜ,新しい社会システムが必要なのか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2−1.名称

 友愛(ゆうあい)システム


『すべての命を友のように愛し,共に生きていく』
という根本的な考え方から,友愛システムと命名します。

posted by 共生イイロー  at 01:56| 第2章 新しい社会システムの提案 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2−2.基本理念

『ひとりは,みんなのために,みんなは,ひとりのために』を社会の基本理念とします。

 ひとりは,自分の大好きなことで,みんなに喜びを捧げ,みんなは,ひとりの命を支えて,喜びを捧げます。それが,友愛システムです。

posted by 共生イイロー  at 01:54| 第2章 新しい社会システムの提案 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2−3.特徴

(1)自然の恵みを大切に使う社会です。

(2)みんなで豊かさを共有して分かち合う社会です。

(3)自分の大好きなことで,みんなに喜びを捧げる社会です。
posted by 共生イイロー  at 01:52| 第2章 新しい社会システムの提案 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2−4−(1)生産と消費の3原則

 自然の恵みを,地球に存在するすべての命の共有財産と位置づけます。そして,その自然の恵みを大切に使うために,下記の『生産と消費の3原則』に則り,経済活動を行います。 

a.地球が,持続的に再生産・再処理できる範囲内で,生産消費します。

b.人間が,生きていく上で必要なものを必要なだけ,生産消費します。

c.ものは大切に使い,再生可能なものは,すべて再生して使います。
posted by 共生イイロー  at 01:48| 第2章 新しい社会システムの提案 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2−4−(2)みんなで豊かさを共有して分かち合う仕組み

 人間は,ひとりで生きていけません。自分のまわりを見渡すと,電気が使えるのは電気屋さんのお陰,水道が使えるのは水道屋さんのお陰,ご飯が食べられるのはお百姓さんのお陰等々,自分の生活が,自分以外のみんなのお陰で成立っていることに気づきます。友愛システムでは,みんなのお陰に感謝して,豊かさを共有し分かち合います。


a.豊かさの共有方法
友愛システムの価格=材料費+経費 

 
友愛システムの物やサービスの価格は,資本主義の価格と比べて,人件費,利益,税金が含まれていません。このうち人件費については,価格には計上されませんが,別途,国から各個人に対して,生きていく上で必要な電子マネーが支払われるため,実質,利益分と税金分が資本主義の価格より安くなります。この価格に利益と税金を見込まないことが,豊かさの共有方法となります。 


b.豊かさを共有することによる効果
 
物やサービスの価格に利益と税金を見込まないことにより,利益と税金を稼ぎ出すために消費されていた自然の恵みを節約できます。これは,豊かさの元となる自然の恵みを大切に使うという,地球全体の利益にかなった効果を生み出します。 

 
また,利益と税金を稼ぎ出すために排出されていたCO2が,発生しないという効果も生み出します。利益と税金を稼ぎ出すために排出されるCO2が,全排出量に対してどの程度になるかは誰にもわかりませんが,現在の物の価格に占める利益と税金の割合から考えれば,かなりの量になることが予想されます。 

 
利益,税金を稼ぎ出すために消費していた自然の恵みを,消費しないことによりCO2を抑制します。個の利益として使用していたものを,自分達の住み家である地球を守るという,全体の利益として使います。それが,豊かさを共有して分かち合うことになります。
posted by 共生イイロー  at 01:45| 第2章 新しい社会システムの提案 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2−4−(3)自分の大好きなことで,みんなに喜びを捧げる経済の単純化モデル

新しい画像.bmp

 自分の大好きなことで,みんなに喜びを捧げる経済は,国と個人と恵社(けいしゃ=みんなに様々な喜びを捧げる社会組織)の3者で構成され,お金は,電子マネーのみです。


 a.@=国から個人または恵社へ電子マネーが移動します。個人には,自分の大好きなことで,みんなに喜びを捧げて生きる対価として,国から電子マネーが支払われます。支払われる電子マネーは,それぞれの個人が,自分の働き具合を自分で判断した電子マネーが支払われます。恵社には,みんなに喜びを捧げる対価として,国から電子マネーが支払われます。支払われる電子マネーは,恵社が,みんなに喜びを捧げる上で必要と判断した電子マネーが支払われます。


 b.A=個人から恵社または恵社から恵社へと電子マネーが移動することにより,C=物やサービスが移動します。A=電子マネーとC=物やサービスの動きは,資本主義経済と同じです。これは,友愛システムの経済も資本主義経済と同じく,物やサービスが,世の中を移動して経済が成立することを意味します。
  

 c.B=恵社から国へ電子マネーが移動します。個人から恵社または恵社から恵社へと,口座間を1回移動した電子マネーは,すべて国に返金されます。


 電子マネーの出金,返金はすべて全自動で行われ,人間の意志が反映されることはありません。世の中に必要な電子マネーの量は,世の中全体の自由意志に委ねられ,世の中が必要とする電子マネーが,必要なだけ@=出金され,消費とともにB=返金され,トータルで出金と返金を合わせてゼロになります。


 具体的な例で考えると,@で国は10万円出金し,消費とともにBで国に10万円返金され,トータルで(−10万円+10万円=0)となります。これは,国として一切の持ち出し無しで,経済が成立することを意味します。




posted by 共生イイロー  at 01:37| 第2章 新しい社会システムの提案 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2−4−(4)自分の大好きなことで,みんなに喜びを捧げる経済の効果

a.自分の大好きなことをして,まわりから喜んでもらって,自分も喜ぶ,みんなに喜びを捧げ生き方で,心が満たされます。

b.生きるためにお金を稼ぐ必要が無いため,生きていく上で必要なものが,必要なだけ生産されます。


 自分の大好きなことで,みんなに喜びを捧げる経済では,みんなに生きていく上で必要な電子マネーが,必要なだけ国から支払われます。これにより,生きることへの不安が解消されます。

 一方で,贅沢三昧の堕落した生活になるのでは,と考えられる方もおられると思います。最初は,自分の電子マネー口座に何十億もの電子マネーを請求する人もいると思います。しかし,しばらくすると気づくと思います。自分以外のみんなも同じように電子マネーを持てる条件であることを・・・

 
 友愛システムの社会では,電子マネーを沢山持っていても,誰も自分の言うことを聞く奴隷にはなってくれません。


 
posted by 共生イイロー  at 01:16| 第2章 新しい社会システムの提案 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2−5.政治の基本

 友愛システムでは,みんなの意思を直接反映できる,直接民主主義を政治の基本とします。国のリーダーの選出など政治的な決定は,すべて国民投票で行います。

 政治家に,政治的な決定権はありません。政治家は,政策の企画立案を行い,その案を国民に示すこと,日本が,世界の中で果たす役割を考え,調整することが主な仕事となります。

 国としての電子マネーの支出は,出金と返金のトータルでゼロとなるため,予算という概念が不要となります。
posted by 共生イイロー  at 01:05| 第2章 新しい社会システムの提案 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2−6.教育の基本

友愛システムでは,みんなが,自分の特性を活かした大好きな仕事につきます。そのため,各自の特性を見つけること,そして,その特性を最大限伸ばすことが,教育の基本となります。

 自分の大好きなことで,みんなに喜びを捧げるための学び,それが,教育の存在する意味となります。

posted by 共生イイロー  at 01:02| 第2章 新しい社会システムの提案 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

あとがき

自分の得意なこと。やっていて楽しいこと。そして,胸がワクワクすること。この3つの条件をクリアしたことが,その人が,今生,地球に生まれてきた使命にもっとも近いものだと思います。

 
 
ひとりひとりの人間が,自分の得意なこと。やっていて楽しいこと。胸がワクワクすることを行う。 


 それが,人類の進化の扉を開けることになると思います。

  

ここまで,論文を読んで頂き,本当にありがとうございました。

 
共生イイロー 

posted by 共生イイロー  at 00:54| あとがき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。